何をするにも「平成最後」という枕詞がつくようになってしばらく経ちました。元号の変更を控えた日本だけでなく、世界全体が目まぐるしく変化する世の中になっています。
インターネットが普及して情報がすさまじいスピードで世界を行き来し、人々はスマートフォン片手に生きていく時代。その流れの中で、医療もその姿を変えようとしています。
毎日新しい事実が発見され教科書は分厚さを増し、医療機器や医薬品は次々と開発され、電子カルテやインターネットを活用した「医療」が当然のものとなってきました。今後「AI」が進歩していくと医療はどうなるのでしょうか?また、その中で医師の在り方や果たすべき役割はどうなるのでしょう?
「人生がみえる」では、変わっていく未来の医療と”新しい”医師のキャリアプランを考えていきます。
人生がみえるとは
- 医師とその家族をメインに、健康に生きたい人の為になるサイトです。
- 激しい変化で先の見えない世界を生きていくために必要な知識とその学び方をみなさまと共有します。
- 「キャリア」変わる世界と医療をふまえ新しい医師のキャリアプランを考えます。
- 「プライベート」新しい医師の趣味や恋愛、教養などを考えます。
- 「マネー」給料や税金、資産運用とそのベースとなる経済を考えます。
- 「家事・子育て」新しい医師のための家事・子育て・教育を考えます。
医師をメインに医療関係者やその家族、そして時代の流れに敏感な層に役に立つサイトを目指し設立しました。
今後世界はますます変化し、予想もつかないような世の中になるでしょう。そうした世界で生きていくために必要となる知識や考え方、そしてそれを身につけるための学び方を読者のみなさまと共有したいと思っています。いっしょに成長していくために、テクニックではなく考え方を大事にしていきます。
キャリア・プライベート・マネー・家事子育てをメインカテゴリーに、それぞれサブカテゴリーも充実していく予定です。
サイト名は有名な「病気がみえる」から、今後の人生が”みえる”ようにと名付けました。本業もあるので更新は不定期です。ご了承ください。
変わる医療
冒頭でも述べたようにテクノロジーによる世界の変化には医療も無関係ではいられません。
1990年以降に「インターネット」が世間に現れ、そのポテンシャルから瞬く間に世界中を席巻しました。紙ベースだった情報伝達が電子に乗って世界中を駆け回るようになり、いつどこに居ても情報を得たり発信したりできるようになったのです。インターネットは物理的な距離と時間の制約を大きく取り払い、その自由さとスピード感によって世の中をガラリと変えました。
インターネットと時を同じくして普及していった「携帯電話」そして2010年以降爆発的に広がった「スマートフォン」これらは人々のコミュニケーションも大きく変化させました。
どんなに離れていても肉声や文字、さらに画像や動画を共有できるようになり、世界は繋がりやすくなりました。持ち歩くパソコンと化したスマートフォン(スマホ)は、インターネットによって世界とつながり、暮らしをより便利にしています。
今後「IoT」「人工知能(AI)」「VR」「5G」「ブロックチェーン」などのテクノロジーが、世の中を予想もできないほど変えていくことは間違いありません。
さて、こうした変化の中「医療」はどのように変化してきたのでしょうか。
紀元前4世紀にヒポクラテスが誓った医療は、戦争とともに発展してきました。麻酔や手術の技術、感染症の対策、医薬品や医療機器の開発、これらによって人々はより健康に長生きできるようになったのです。
我が国では、戦後に政府からの支援を受け医療機関が全国に整備され、1960年代に国民皆保険制度が実現され医療制度の基礎ができ、1980年代には高齢化への備えと介護施策が進み、2000年代にはインターネットと電子カルテの普及によって現在の医療へとなりました。
しかし、現在の医療も完璧ではありません。とくに我が国では、世界に先駆けて問題となる「高齢化」と「人口減少」それに伴う「社会保障費」によって課題が山積みです。
これらの問題を解決するには、政策による意思決定や現場の根性論的マンパワーでは到底間に合いません。テクノロジーを取り入れて医療を変化させていく必要があります。
インターネットやデジタル機器の発達により、全てのモノがインターネットに繋がる「IoT」(Internet of Things)が進み、そこから集まる膨大なデジタル情報「ビッグデータ」を、「人工知能(AI)」が分析できるようになりつつあります。特定の分野では、人間が判断したり行動したりするよりもAIの方が速く正確になるでしょう。
すでにアップルウォッチなどをはじめとするウェアラブルデバイスによって、病気でなくとも脈拍や血圧などのバイタルデータを取得できるようになっています。その情報をもとに、病気を発見したり予防したりすることもできるようになります。情報の分析は人間よりもAIの方が得意になるはずです。
体調が悪いときにまず病院に行くのではなく、インターネットで情報を調べてから判断する人が増えていますよね。この流れが続けば、問診や検査をして診断をつけ治療を決定し薬を処方する、一連の医療行為がオンライン上で完結するようになるかもしれません。実際、中国などではオンライン診療がすごいスピードで普及しています。
遺伝子情報を利用するゲノム医療やiPS細胞などによる再生医療は、医療とそれに伴う法律や倫理に変化を迫るでしょう。我々の生死観もアップデートしなければいけません。
もちろん医療界、そして医療関係者も変わらなければいけません。そのために知っておくべきこと、その学び方をこの「人生がみえる」でいっしょに考えていきましょう。
新しい医師
このサイトでは「新しい医師」という表現を使っていきます。これは、既存の働き方にとらわれない自由で自立した医師のことで、自分の目指すものでもあります。
日本の医師の多様性は著しく低く、ほとんどの医師が勤務医か開業医です。医学部を出たらみんな医師免許を取って患者を診るもの、といった固定観念が根強くあります。しかし、そうした固定観念と現実のギャップに苦しむ人が若い世代を中心に増えてきているように感じます。
バリバリ働いてキャリアを目指してもいいし、家庭と両立を目指してもいい、プライベートを重視してもいいし、ビジネスや夢を追いかけてもいい、必ずしも”医師”である必要もない。そんなふうに考えていける世の中になれば幸せじゃないでしょうか。
暗いニュースや日本の医療制度・医局にとらわれず、経済的にも精神的にも自由で自立した医師(医学科卒)が増えていけばいいな、と考えています。
まとめ
更新は不定期ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
参考文献